どうしてこのキャンペーンをはじめたのか少しお話させて下さい。
その方の大切な1枚を残したいと強く感じる出来事がありました。
7年前、私は祖母の写真を撮らせてもらいました。
明るく少女のような人で赤いTシャツに白いパンツがよく似合い
「恥ずかしいわ」と言いながらも
くるくるポーズを変えてくれる様がとても可愛らしかったです。
今年、突然その祖母が天国へ旅立ちました。
急遽写真が必要になり、どれをメインに添えるかとなったとき
その時撮った写真を選びました。
晩年はあちこち体を悪くし少し元気がありませんでしたが
その写真は快活でやさしく語りかけてきてくれるような生命力があったのです。
色んな方がその写真をみて「"そのまま"だね」と想い出を語って下さいます。
そのつど、これからもこの写真が
時を止めたまま変わらず想い出を温めてくれるのだと
本当に生きていた証になる写真を残しておいてよかったと感じました。
一番見える場所に置いておく最後の写真が他人の体に切り貼りしたものや、
引き延ばして顔がぼやけたものでは少し寂しくはないでしょうか。
誰もがそれぞれにしか歩めない道を歩んでいて、誰もあなたにはなれません。
積み重ねてこられた今までを強く肯定する写真があれば、
ご自身や周りの方への励みにも証にもなりえます。
そんな普通で特別な1枚を、あたりまえに持っていただきたいのです。